預金・ゆうちょ銀行の財産調査
相続が開始し相続人調査が完了したら、続いて取りかかるのが財産調査です。
財産の全体像がわからないと、遺産分割をスムーズに進めることが難しくなります。
また遺産分割協議にて相続人が財産内容を把握できるよう、根拠資料を用意しておくのも円滑に話し合いを行うためには必要です。
こちらのページでは、預金およびゆうちょ銀行の財産調査についてご説明いたします。
金融機関の財産調査
預金・ゆうちょ銀行の財産調査は被相続人の死亡日を基準とし、被相続人の口座や残高を確認することを目的とします。基本的に相続税申告を行わない限り、通帳のコピーを資料としても問題はありません。
ただし通帳が手元になかったり、長い間記帳がされておらず現在の残高が不明だったりする場合には残高証明書を取り寄せましょう。
残高証明書を取り寄せるために必要な書類
- 各金融機関所定の残高証明依頼書
- 被相続人と相続人の関係を証明する戸籍謄本
- 手続きする人(相続人等)の実印および印鑑登録証明書
※残高証明依頼を窓口にて行ってから1、2週間程度で証明書が発行されます。
残高証明書を取り寄せるには、被相続人がその金融機関を利用していたという情報(銀行名、支店名、口座番号等)が必要になります。
ただし預金の内容を把握しておらず、どの銀行を利用していたかがわからない場合においても問い合わせは可能であり、調査によって新たな口座が見つかったというケースも実際にあります。
ゆうちょ銀行の財産調査
基本的に金融機関の財産調査と必要な書類や流れは変わりませんが、ゆうちょ銀行の場合いきなり残高証明書を取り寄せることはできず、口座の存在確認をするための調査(現存調査)を先に行わなければいけません。
このような理由から証明書取得まで最大1か月程度かかることもあるため、注意が必要です。
取引履歴の請求について
取引履歴とは対象の口座の入手金を記録した証明書のことです。
生前から被相続人以外の人が通帳を管理していた場合や、被相続人の死後、口座凍結までの間に預金がひきだされた可能性がある場合には、その間の取引履歴を請求することでお金の流れを確認することができます。
なお、相続税申告を行う際には多額の贈与等が行われていないかを税務署がチェックするため、過去5年間分の取引履歴の提出を求められますので準備をしておきましょう。