認知症の方がいる遺産分割

原則として、認知症などが原因で判断能力が不十分とされる方は、法律行為である遺産分割協議を行うことはできません。
しかしながら遺産分割協議には相続人全員の参加が必須であり、そのうえで分割方法を決定する必要があります。

認知症を発症しているなど、ご自身で物事を判断することが困難な方が相続人の中にいる場合には、成年後見人という代理人を定めることができます。
成年後見人に遺産分割協議の参加を代行してもらうことにより、遺産分割を成立させることが可能となります。

成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害など、判断力が不十分な方を保護するための制度です。家庭裁判所に申立てをすることにより、家庭裁判所が成年後見人として適切な人を選任します。

成年後見人は本人に代わり、必要な契約等の締結、財産管理などを行います。
家庭裁判所に申立てを行ってから選任されるまで数か月はかかりますので、余裕を持って行いましょう。

また、成年後見人には親族だけでなく、専門家などの第三者が選任される可能性も考えられます。
成年後見人は一度選任されると、遺産分割協議の後も法定後見制度の効力は続きます。今回の相続だけではなく、その後の生活においても必要かどうか、しっかりと考えたうえで法定後見制度を活用しましょう。

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