生前対策の基礎知識

こちらでは生前対策についてご説明いたします。

ご自身が亡くなった後に発生する事務手続きなどに関する不安を、抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような不安を軽減するためにも、お元気なうちにしっかりと「生前対策」を行っておくことをおすすめします。

ご自身の死後、所有する財産を誰に・何を・どのように相続させるかについて法的に決定することができる手段となるのが「遺言書」です。
相続において遺言書の内容は優先されますので、ご自身の希望に沿った遺産分割を実現したい方は忘れずに作成しておきましょう。

特に相続人のなかに判断力の乏しい認知症の方や未成年の方がいる場合には、遺言書を作成しておくことでご自身の財産の行き先について指示できるので安心です。

なお、遺言書は遺言者が亡くなってからその効力が発生します。

ご自身が所有している預貯金や不動産などの財産を信頼のおける家族に託し、その管理・運営・処分方法について、明確に定めることのできる財産管理契約のことを「家族信託」といいます。

家族信託は生前から効力を発生させることができますが、認知症等を患い判断能力が乏しいと判断されると法律行為である契約を行うことはできなくなってしまうため、注意が必要です。

なお、家族信託は契約を結ぶ関係者（受託者・受益者）と十分に話し合った上で、財産管理を実現させることが大切です。

意識ははっきりしているけれど身体が不自由な方や、介護施設などへ入居する方がご自身で財産管理や生活上のさまざまな事務作業を行うことは難しいでしょう。
このような場合に有効な制度となるのが「財産管理委任契約」です。

これは、判断能力が十分あるうちに契約を締結することにより、ご自身の財産管理を第三者に委託できる契約となります。

また、契約後に本人の判断能力が不十分となっても契約自体はそのまま継続されるという点も、この契約の特徴と言えるでしょう。

ご自身の死後、葬儀・供養の手配や医療費の精算、各種行政手続きなどを代行する契約のことを「死後事務委任契約」といいます。

一般的にはご家族やご親族が死後の事務手続きを行いますが、身寄りのいない方や親族に頼れない方はこの契約がとても有効な手段となります。
死後事務委任契約の締結により、死後の事務手続きを第三者である専門家へ委託することが可能となります。